森のアザラシ?!
まんまるモコモコのシマエナガが可愛すぎる!
2020.05.14
- 写真提供・監修
- 山本光一
1年を通して、北海道の低地の樹林から山地の深い森まで広く生息している「シマエナガ」は、柄のような長い尾羽を持ったエナガ(柄長)の亜種です。「シマ」は「島=北海道」を意味しています。日本の野鳥の中で2番目に小さいこの鳥は、アイヌ語で「ウパシチリ(雪・鳥)」と言います。
まっ白な羽毛に覆われた冬の姿が雪とよく似合うからでしょうか。まん丸な毛糸玉のように愛らしいモフモフぶりが多くの人々を魅了しています。
about シマエナガ
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珠のように丸い
体に長い尾羽が特徴。 -
他のエナガの亜種より体が
白っぽく、黒い眉斑がない。 -
小首をかしげる
悩殺ポーズ!
冬はモコモコ。
野鳥にとっては餌の確保が大変な冬・・・シマエナガたちは群れをつくり片時も同じ場所にはとどまらず、餌を求めて忙しそうに樹々を渡っていきます。
in Winter
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北海道ならではの
樹液アイスも大好物。 -
他種とも行動する
フレンドリーな鳥です。 -
冬には群れをつくり
移動している姿をよく目にします。
さえずりはジュルリ♪ジュルリ♪
“ジュルリ、ジュルリ”というさえずりが聞こえたら、シマエナガが近くにいます。春、恋の季節になると「チー、チー」「チャン、チャン」と軽やかな鳴き声に。
in Spring
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子育ての時期以外は
群れで生息。 -
体がとっても軽いので
枝先にも器用に!
飛ぶ姿もキュート
飛ぶ姿は、樹から樹へ、枝から枝へ小刻みに“ちょん ちょん”と渡っていくイメージ。しかし、そのスピードは意外に速く、人の目で追い続けるのはとても大変です。
when Flying
- この姿、もうたまりません。
- 飛び出しはふわっと。
- 実はとってもスピーディ!
子育てはつがいで奮闘
春を迎えるとつがいとなって巣づくり。雄と雌が共同で作業します。日中は雌が卵を温め雄が雌のために餌を運び、夜には雌雄で抱卵。ヒナが孵化し巣立つまでは毛並みが乱れ痩せるほどつがいで子育てに奮闘します。
in Summer
- 子育ては雌雄共同作業。
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卵は6〜12個、孵化から
巣立ちまで約1ヶ月。 -
巣立ち後もしばらくは
親鳥が給餌します。
そしてまたモフモフの冬へ
秋を迎えるころには、子育てで疲れてやつれた姿から変化して、まっ白な羽毛に覆われたシマエナガらしいフォルムへ。毛糸玉のように愛らしい群れが北海道の森を飛びまわります。
in Autumn
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森が紅葉するころには
再びまっ白な羽毛に。 -
厳しい冬を前に毛糸玉のように
ふわふわのモフモフに。
意外なほどにすばしっこいシマエナガ。写真に収めるのが難しいと言われる愛らしい姿をたくさん集めた釧路(道東)発の写真集が人気です。
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山本光一(やまもとこういち)
「しまえながのきもち(北海道新聞社)」1,000円(税別) -
山本光一、河瀬幸、三浦大輔
「シマエナガさんの12カ月」(河出書房新社)1,320円(税込)