AREA GUIDE

2つの国立公園と1つの道立公園を有する釧路エリアは、海あり、
森あり、湖あり、湿原ありと自然に恵まれています。
この環境は、豊かで変化に富んでいることから日本有数の
野生動物の生息地となっているのです。
四季折々それぞれ異なった魅力をもつフィールドで、野鳥たちとの
素敵な出会いをお楽しみください。

探鳥エリアマップ 釧路湿原国立公園エリア 釧路湿原国立公園エリア 阿寒摩周国立公園エリア 白糠・音別エリア 厚岸・浜中エリア 釧路市街地エリア 釧路市街地エリア

釧路湿原国立公園エリア

国立公園でもある国内最大の湿地帯は
タンチョウをはじめとした野鳥たちのパラダイス

釧路湿原国立公園エリア

釧路川とその支流を抱く釧路湿原は、国内最大の湿地面積を誇ります。
この地域の自然保護は、1935年8月「釧路丹頂鶴繁殖地」として国の天然記念物に指定されたことに始まります。1952年3月には面積が増え、「釧路のタンチョウ及びその繁殖地」と改名され特別天然記念物に指定。その6年後、「釧路湿原」と名付けられました。1980年6月に日本で最初のラムサール条約登録湿地となり、1987年7月には日本で28番目の国立公園として釧路湿原国立公園が誕生するのです。開拓が進む前の北海道らしい景観を残す湿原内は、タンチョウをはじめ多くの野生生物の貴重な生息地となっています。

このエリアの野鳥

日本一の湿地面積を有する釧路湿原は、特別天然記念物であるタンチョウの最大の繁殖地となっています。英名が「Marsh Tit(湿原にいるシジュウカラ科の小鳥)」のハシブトガラや、けたたましい音でディスプレイフライトを行うオオジシギなど、広大な湿地が広がる釧路ならではの野鳥が見どころです。
夏は湿原内の各木道で、小鳥たちの可愛らしい姿やバラエティに富んださえずり。都会の喧噪から離れた世界は、贅沢なバードウォッチングタイムです。冬になると、それぞれの給餌場に多くのタンチョウが集まります。アイヌ語で「サルルンカムイ(湿原の神)」と呼ばれる彼らの美しい姿は、胸を打たれるでしょう。林間では、ベニヒワやアトリの大群が見られることも。塘路湖やシラルトロ湖にはシベリアからオオハクチョウが飛来し、冬景色にアクセントを加えています。

このエリアの野鳥観察施設

阿寒摩周国立公園エリア

深い森に包まれた湖沼が点在するエリア
温泉を楽しみながらの野鳥観察もおすすめ

阿寒摩周国立公園エリア

阿寒摩周国立公園は、1934年12月に指定された北海道で最も歴史のある国立公園のひとつです。針広混交林の原生林のほか、一般は高山でしか見られないイソツツジなど、多様な植物が生育しています。世界一の透明度を記録した摩周湖、美しい球体が特別天然記念物に指定されているマリモで有名な阿寒湖、日本最大のカルデラ屈斜路湖など、湖の性質もさまざま。それらを見渡す美幌峠や藻琴山からは、晴れた日に知床連山を眺めることもできます。
また、川湯は硫黄山を源とする良質の温泉として、阿寒湖は結氷した湖面の上に咲く霜の花、フロストフラワーが見られる場所としても名高いです。

このエリアの野鳥

阿寒摩周国立公園は、2014年12月に国立公園指定80周年を迎えました。90,481haの公園内には雌阿寒岳や雄阿寒岳、藻琴山などがそびえ、深い森をつくり出しています。北海道以北でしか見られないエゾマツやトドマツと、シナノキやカツラなどの巨木が混ざり合う情景は、北海道ならではといえるでしょう。
大木を含む広大な森は、天然記念物のシマフクロウやクマゲラの貴重な繁殖地として、開拓される前の原生的な姿を残しています。点在する湖沼には、キンクロハジロやカワアイサなどさまざまなカモ類が生息。屈斜路湖は約300羽のオオハクチョウが飛来する主要な越冬地であるほか、御神渡りも有名です。また阿寒湖は、世界各国からたくさんの人々が訪れる道東で代表的な観光地。それぞれ火山活動の影響で良質な湯が沸き出し、温泉スポットとしても定評があります。自然探勝路も充実し、見ごたえ十分な地域です。

このエリアの野鳥観察施設

白糠・音別エリア

海と森に囲まれたのどかな地域。
砂浜では塩水を飲むアオバトが見られることも

白糠・音別エリア

北海道で最初に石炭が採掘され石炭産業で栄えた白糠町は、手つかずの森が生い茂り多様な野生生物が生息します。
音別町は、2005年10月11日阿寒町と共に釧路市と合併した町。緑豊かな山野では昆虫採集、音別川やチャンベツ川では水遊びなど、自然いっぱいのアウトドアが楽しめます。白糠町と音別町にまたがる「馬主来(パシクル)沼」は、満水になると自然に太平洋に流れ出る非常に珍しい沼。国道38号沿いに面し、冬はワカサギ釣りが人気です。また、太平洋が一望できる「恋問(コイトイ)海岸」は、名前のとおりロマンチックな観光スポットとしても知られています。

このエリアの野鳥

釧路エリアの西側に位置する白糠町や音別町は、海と森に囲まれた地域です。白糠町の海岸は、塩水を飲むアオバトの姿で注目されています。沿岸に森がせり出した好適な地形ですが、砂浜であるという点では珍しいといわれています。
住宅地や駅周辺といった人々の生活領域でも、多くの森林地帯を残しているのがこのエリアの魅力。そのため、”ジョッピン(北海道弁で「鍵」の意)かけたか”の聞きなしが有名なエゾセンニュウや、派手な音で急降下するオオジシギなど、市街地でもさまざまな野鳥の存在を感じることができます。
白糠町青少年旅行村に建設された釧路管内初のハイドは必見です。樹上に設置されたスタイルは、樹木に止まる鳥はもちろん、地上にいる鳥たちも探しやすいのが最大のメリット。鳥を驚かせることなく、本格的なバードウォッチングが楽しめます。

このエリアの野鳥観察施設

厚岸・浜中エリア

別寒辺牛湿原・霧多布湿原の2つの湿原に囲まれた
原生花園と野鳥のさえずりが美しいエリア

厚岸・浜中エリア

「厚岸道立自然公園」を有する厚岸・浜中エリアは、海岸線沿いにそれぞれ別寒辺牛湿原・霧多布湿原が広がっています。1993年6月には「厚岸湖・別寒辺牛湿原」・「霧多布湿原」としてラムサール条約の登録湿地となり、さまざまな環境保全対策が行われています。
別寒辺牛湿原は、ヨシやスゲが群生する低層湿原の代表ですが、1989年に新しく高層湿原を確認。タンチョウも営巣するなど学術的にも高く評価されています。
霧多布湿原は、春から秋にかけて色とりどりの花が湿原を咲き誇る「花の湿原」です。

このエリアの野鳥

厚岸町や浜中町は海岸にほど近く、2つの湿原に恵まれたエリアです。網の目状に川が広がる別寒辺牛には、ヨシ・スゲ類が群落する低層湿地と、ガンコウランやイソツツジなどの高山植物が群落する高層湿地が混合しています。この手つかずで残る自然の中にはアオサギやタンチョウがゆったりと羽を伸ばし、また、冬でも全面結氷しない厚岸湖では数千羽のオオハクチョウが越冬します。牡蠣の養殖でも有名で、おいしい海の幸を存分に味わえるのも魅力的です。エゾカンゾウやミズバショウなどが群生する浜中町霧多布には、花々が咲き誇るのどかな花園にコヨシキリやノゴマなどのさえずりが響き渡ります。さらに海に面した地形から、さまざまな水鳥も生息。絶滅危惧種の鳥エトピリカ(美しいくちばし)は、この地域を代表する希少な鳥のひとつで浜中町の町鳥にも指定されています。

このエリアの野鳥観察施設

釧路市街地エリア

別寒辺牛湿原・霧多布湿原の2つの湿原に囲まれた
原生花園と野鳥のさえずりが美しいエリア

釧路市街地エリア

春採湖周辺は、釧路駅から車で15分のところに位置する海跡湖です。春採川を通じて太平洋の水が流れ込む汽水湖でもあるため、海水魚も生息します。市街地の中心にありながら150種類近くの野鳥を見ることができる環境は、国内でもそれほど多くありません。日本唯一の石炭列車が走るほか、アイヌの砦跡「チャランケチャシ」や、約3800万年前に堆積した「天寧層」など、歴史を感じさせるスポットも見どころです。釧路市動物園は、人間らしい姿が話題のホッキョクグマ「ミルク」が人気急上昇中の動物園。広い園内には、釧路湿原を利用した北海道ゾーンがあり、シマフクロウやヒグマなど北海道ならではの動物が目白押しです。

このエリアの野鳥

釧路には市街地にいながら雄大な自然を感じられるスポットが目白押しです。釧路駅から車でわずか15分のところには、街の中とは思えない豊かな緑が広がる春採公園。国の天然記念物ヒブナが生息している春採湖があることでも有名で、日本ではここが唯一の繁殖地のホシハジロや、白くて綿帽子のような姿が人気のシマエナガなど150種類以上の野鳥が生息しています。湖を囲むように整備されている遊歩道を歩くとその多様な鳥との出会いが楽しめるでしょう。釧路市動物園は、湿原を満喫できる北海道ゾーンが充実。羽を広げた姿が迫力満点のシマフクロウや、するどい眼をしたオオワシなどさまざまな野鳥や動物を美しい環境とともに堪能できます。
また、釧路空港すぐそばにある釧路市丹頂鶴自然公園では、釧路の象徴であるタンチョウを自然のまま放し飼いをしていて、いつでも観察ができると好評です。

このエリアの野鳥観察施設

ページトップに戻る